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福岡の中小企業が社内研修に必死に取り組む理由2022.05.09

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こんにちは。FCCテクノでは、社内研修に力を入れています。今日は、FCCテクノが社内研修に力を入れる理由とその効果をまとめていきたいと思います。

社内研修を頻繁に入れた理由

当社が、週次で頻繁に入れた理由は、次の二つに整理できます。
  • ・単純にビジネススキルの底上げが必要であった
  • ・社内で話される共通言語がなかった
順を追って説明します。
➊ 単純にビジネススキルの底上げが必要であった
一点目の、ビジネススキルの底上げは、既に業務をこなせるメンバーがトレーナーとしてあえて細かいところまで講義し、何度も同じことを刷り込むことで、コンサルティングの手法、考え方、基本的な動作を身に着けることを目的としました。
当社は、マネジメントに会計系ファーム(KPMG)、戦略ファーム(BCG/ローランドベルガー)のメンバーが多く参画しているため、基本的な業務の考え方、進め方はコンサルティングがベースとなっています。各コンサルティングファームでは、在籍された方はご理解いただけると思いますが、徹底して「バリュー」時間の効率化を叩き込まれます。これを当社内でも再現するように、これまで各自学んできたことを詳細に言語化して、伝えていくように工夫しています。
単純に業績向上につながるだけでなく、大げさに言うと、職員の福利厚生にもなると考えています。こういったロジカルシンキングをベースとした、「バリュー」に着目した働き方は、ポータブルであって、会社の垣根を超えていけるスキルです。そういったスキルを広め、社内において浸透させていくことは、会社にもメリットがありますし、職員自身の人生の選択肢を増やすことが出来ます。
当社に限らず、「生きていく力をつける」を社内で掲げている会社としては、ポータブル・スキルをどんどん身に着けていく環境を提供していくことが、大事であると考えています。
➋ 社内で話される共通言語がなかった
二点目の、共通言語ですが、ビジネスで使われる単語は案外ファジーです。例えば、「成果」という言葉一つとっても、人によって定義が全く異なります。あるいは、「質問」や「会議」といった社内で一般的に行われていることですら、手を入れない人によって目的と進め方が異なり、非常に非効率だなと感じます。当社は2021年までその状態にありました。
そこで、ビジネスの研修において、「そもそも質問とは」「そもそも会議とは」「そもそも議事録とは」から再度、一つ一つ定義をし、繰り返し同じようなことを説明することとしました。最終的には、これらを業務で実施し、適切なレビューを繰り返し受けて、次第に洗練されていくものですが、当社はその仕組みが全くないところから始まっていますので、まず目線合わせ、ペースメーカーとして研修を位置づけることとしました。
一つ一つの要素は、当たり前にビジネスパーソンとして身に着けているものですが、細かな所作を、あえて掘り下げていきます。例えば、「質問」などは、質問状の書き方、文章の構成、そもそも質問シートの構成に至るまで、質問だけで1時間~1時間半ぐらいの講義を行います。それをビデオ録画し、社内に周知できる体制を作っています。
「質問」のような基礎的な動作であっても、講義が終わった後、「質問するときにここまで考えるものだったのか」、「自分の質問の仕方は甘かった」、などという感想が聞かれます。
このようなプロセスを経て、社内で使われる曖昧なビジネス用語の定義が定まってくると、会社全体の考え方が整理されていき、業務も効率化していきます。それを一つの目的としておいています。
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研修の効果はあったのか

率直に言うと日々実感しています。
一つ一つの講義は、難しく作りすぎず、同じことを何度も繰り返して行うようにしています。字面だけで研修資料を追うのではなく、講師が体験してきたことを、講義を通じて追体験し、安いコストで再生産できる体制を構築したいためです。
難しいもの、体系立っていて整理されているものは、書籍を買って各自が読めばいいとFCCでは考えています。例えば、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングは、良い書籍がたくさんあります。そういったものではなく、本当に日常的に社内で行われていることを一つ一つ再定義します。
手間はかかるのですが、チーム作業の効率が上がり、徐々に仕事の進め方にも影響が出てきています。この社内研修を初めてまだ3か月ですが、半年、1年後には、今講義を受けている人が講師となって、新しくFCCに加入してくれる人たちに対しても講義ができるようになっていくように思います。

意外にも人材採用にも効いてくる

こうした地味なプロセスですが、インターンや外部にも少し公開をしています。こういった活動を広めていくことで、具体的にFCCの中でどのような考え方のもとで仕事を進めているか、今後進めていきたいかを示しているので、働くイメージが具体的につきやすいようで、こういった講義に参加していただけると、FCCにジョインしてくださる率が高まります。
自分たちが、このように仕事を進めている、あるいは捉えている、とあえて公表することで、新たな人材の呼び水となるいい事例であるように思っています。

人事評価の一つの基準にもなる

また、当社は2022年末に向けて人事制度の再策定中ですが、その中で具体的にどのような職員がハイ・パフォーマーであるかを予め提示する基準となっています。仕事に対する所作、考え方をつまびらかにしていくため、それはすなわち、社内において評価される人材とは、どういった人であるかを毎回解説し、再定義していることにほかなりません。
ここが外部から講師を招き、セミナー形式で行うところと若干異なるところです。手間はかかりますが、トレーニングをあえて内製化し、自分たちで再構築することに意義があるのかな、と思っています。
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運用の課題と今後の展望

➊ 運用の課題
運用の課題は、当たり前ですが、まあまあ手間がかかることと、講師の能力に大きく左右することです。ただ、当社は、上位職に就く際には、いざとなったら刀が抜ける≒手が動くことが要件であると考えています。したがって、講師を社内で分担して持ち、常に最前線に切り込める体制を作る過程と思えば、今の負荷・手間は、もしかしたら将来への投資なのかもしれません。
➋ 今後の展望
社内にポータルサイトを立ち上げ、過去の動画を見れるように整理を進めています。新人が入ってきても、これらの映像を見ることで、FCCの仕事に対する考え方、進め方が定着できるように進めていきます。また、社内でも浸透具合はまちまちです。深く、広く浸透させていき、FCCの仕事とはこうあるものだ!を社内外ともに、しっかり示せるようになっていきたいと思います。

終わりに:あくまで研修を目的化しない

あと最後に、研修そのものを目的化しないことを意識しています。研修を実施した件数、受講した人数ではなく、自分の生き方、福岡で生きていくときに、その材料が欲しいなと思う人に向け、社内研修を実施していくことに拘っています。当社としては、会社の枠に縛られず、自由に生きる人が一人でも増えればよいなと思っているためです。
FCCは、究極的に言えば、定年・転職など、理由はいろいろあれど、いつかは今いる職員も当社を辞めていくものであると捉えています。もちろん、できるだけ長くいてほしい、一緒に歩んでほしいですが、人は規則や縄で縛っていても会社にいてくれるものではありません。職員が居たい、と思える環境を作り、よりよい人生を歩むための材料を提示し続けること、そして職員が成長する過程で生まれる利潤の一部を、場所代として提供してもらう、というのが、私たちFCCの考え方です。あくまで、個人が提供できる価値が、会社という枠組みを上回る、と考えています。
そう考えていくと、研修を実施すること、それそのものが目的ではなくて、研修を受けた結果、仕事に対する捉え方・認知の仕方が変わって、よりよい豊な人生を歩めることが、私たちFCCにとって重要なのです。
週次・隔週でのトレーニングで、準備も大変で、同じような話ばかりをしていますが、当社が研修に力を入れる理由と、目的は上記の通りです。中小企業こそ、教育機会の充実が大事であり、業績にダイレクトに反映してくると考えます。今後も力を入れてやっていきたい取り組みであると考えています。
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